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インディアンフルート(ネイティブアメリカンフルート)は、愛の笛(ラブフルート)とも言われ、心の中のあふれる思いを、とても美しい音色の中に表現できます。初心者にも、すぐにその素晴らしい世界に入ることができる不思議な笛です。この記事では、そんなインディアンフルートについてのお話をします。

インディアンフルート(ネイティブアメリカンフルート)とは

インディアンフルートは、
ネイティブアメリカンフルートとも呼ばれ、
古来より北米の先住民族に伝わる木製の縦笛です。

音の出る仕組みはリコーダーと似ており、
横笛のように音を出すのに苦労することはありません。
しかし、リコーダーと違うのは
指穴が5~7個しかなく、
音域が狭く、諧調もドレミではなく独特の音階であるということです。

しかし、このような制約の中で
笛自身が歌う音色に任せて、息を入れると
息がまるで妖精のように舞い、本当に神秘的な音が出るんです。

インディアンフルートを吹いてみました

それでは、
インディアンフルートを吹くにはコツがいるのだろうか、
初心者にも吹けるかしら
という疑問が出てくると思いますが、

オカリナやリコーダーを吹いている人なら
簡単に、自分の域に入ることができます。

もちろん、全く楽器の初心者の方にも気持ちよく演奏できます。

これは私が購入して間もないころに吹いた演奏です。
3.11を忘れない わだつみのきよめ インディアンフルート即興曲 Do not forget 3.11, improvisation with Indian flute

(私が3年前にテレマンン楽器さんから購入して、
まだ数日しかたっていない時に吹いて作った動画です。
購入したのは、米国の専門メーカー ハイスピリット社の、
スタンダードタイプ A管で、お値段は2万5千円前後だったと思います。
このように、オカリナを吹いている人なら、すぐに曲が吹けると思います。)

歌口から息を吹き入れたら、リコーダーと同じく自然に音が出るので、
尺八やフルートのように「音出し」に苦労することはありません。

ただ、息の入れ方、息の強さは、
そのインディアンフルートに見合った強さを探る必要があります。
オカリナも、そのオカリナに応じて息の強さを探るので、同じだと思います。

ただ、オカリナやリコーダーと違うところは
音階がドレミではなく、音域がオカリナよりもさらに狭いことです。
だから、よく知っている曲をそのまま吹こうと思うと
難しいと感じるかもしれません。

しかし、
そういうことにこだわらず、笛自体のメロディーを楽しもうと割り切ると
楽しく吹けます。

私はこの笛が
インディアン由来の笛でありながら、
和の笛に何か通じるものがあると感じ、

和の調べにアレンジして即興で演奏しました。
これは先日、姫路のインディアンフェスティバルに出演した演奏です。

インディアンフルートにまつわる伝説

神様(グレートスピリット)からの贈り物

インディアンフルートにはこのような伝説があります。

太古の北米大陸では、当時、神様がすべての創造主と崇められていました。
人はその創造主(神様)を「グレートスピリット」と呼んでいました。

あるとき、深い森の中で、一人の青年が道に迷ってしまいました。
道に迷ってさまよっている青年を見つけたグレートスピリットは、
困っている青年の姿をみて、とてもかわいそうに思い
青年に贈り物を与え、元気をつけようとしたそうです。

グレートスピリットは天から小鳥をつかわしました。
青年が歩き疲れて木陰で腰を下ろしたところ、
その大きな木の枝に小鳥が止まりました。

青年が小鳥のほうを見ると
その枝は中が空洞になっており、
勢いのよい北風がその枝の中を通り、
今まで聴いたこともないような
美しい音色を奏でていました。

この音色を聞いた青年が、じっと枝を観察すると、
小鳥はその枝に、くちばしで穴を開け始めたのです。
北風はずっと吹き続けており、
小鳥が一つの穴を開けるたびに、どんどん音程が変化していき
やがてその音程は、聴いたこともない美しい音楽になりました。

青年は、この不思議な現象を
グレートスピリットからの贈り物だと直感しました。
そして青年は注意深く木に登り、
その枝をていねいに折って、それを自分で吹きました。

こうして北風が吹くのと同じように枝に息を吹き込むと、
美しい音色を奏でることができたのです。
 
その後、青年は家族にその素敵な贈り物のことを話しました…

これが、インディアンフルートについて伝わる伝説の一つですが
そのほかにも、民族ごとにいろいろな伝説・伝承が伝えられています。

愛の笛「ラブフルート」と言われるわけ

 

インディアンフルートは
「ラブフルート(愛の笛)」とも言われています。

この名のとおり、
好きな人に恋心を打ち明ける際、
言葉にならない、胸の中の熱い思いを、
メロディーで表現して告白するということが、今でもあります。

この「ラブフルート」の称号の由来にこんな伝説があります。

これも太古の北米大陸での物語です。
むかしむかし、
好きな女性に想いを伝えることのできない内気な青年がいました。
青年は、とても勇敢な狩人でしたが、
心はとてもナイーブで、好きな女性がいるのに、
彼女を前にしたら胸がときめきすぎて
一言もしゃべれなくなってしまうのです。

そんな青年がある日
狩りの途中で森の中で野宿していました。
そして、
青年は、恋する女性のことを、もやもやと思いながら
森の中で眠りにつきました。
そして眠りの中で、
青年は夢を見ました。
夢の中で一羽のキツツキが現れたのです。

キツツキはこう言いました。
「青年よ、きみが恋に悩んでいることを私は知っている。
わたしたち精霊が作る笛を、きみにあげましょう。」

青年が目を覚ますと夢の中のキツツキが目の前にいて、
ゆっくりと飛び立ちました。

青年がキツツキについて行くと、
やがて大きな杉の木にたどり着きました。
キツツキはくちばしで枝に穴を開け、
やがてそれがフルートになりました。

こうして手に入れたフルートで
青年は熱くときめく思いをメロディーにして奏で
恋する女性にメロディーで愛を告白しました。
そして女性は、青年からの音楽の愛の告白を受け入れたのでした。

どうですか?
あなたも、好きな人にやってみたら・・・(笑)
私も妻に、言葉では照れくさいいけど、音色で愛を伝えたいなあとも思います。
男女の思いだけじゃなく、
お父さんお母さん、子どもたち、友達など、
愛しい人、親しい人に、気持ちを込めて吹いてあげると
きっと、言葉では伝わらないニュアンスが伝わります。

インディアンフルートの魅力

インディアンフルートは
狭い音階で、諧調も単純ですが、
その中に、深い気持ちを込めることができ、
音色自体がとても神秘的です。

普通に指を運ぶと、
インディアン伝承のエスニックなメロディーになり、
とてもいい雰囲気の演奏ができます。

しかし、
指の使い方や開き方を工夫すると
既存の曲を吹くことは十分可能で
インディアンフルートフェスティバルでも
「もののけ姫」や
「コンドルは飛んでいく」などいろいろな曲を吹いている人がいました。

しかも、
指の使い方に少し味を出すことで(「装飾運指」と言います)
インディアンフルート特有のエスニック感が生まれますし、
また、
息を優しく吹きいれることで
音が回転し、
音色自体に揺らぎが生じます。

インディアンフルートの作家であり演奏者でもある、ガイネ・サトウさんの言葉によると
「吹くこと自体が祈り」
です。

大自然の中に自分の意識を合わせ、
風の気持ちや、小さな生き物の気持ちに自分の気持ちを合わせて、
優しく吹きこむことで、
無心の祈りになっているのです。

(ガイネさんの大阪演奏会にて。パーカッションと歌のドンチャカ村の皆さんの演奏も素敵でした。)

(写真は先月、ガイネさんのコンサートに行った時に一緒に撮ったものです。
ガイネさんの吹くインディアンフルートの調べは、魂の奥に届くような感覚がありました。
ガイネさんは、関東を中心に活動しておられますが
今回大阪に来られたので、ぜひ会いたいと思い、演奏会に行きました。
演奏活動だけではなく、インディアンフルートの制作もしておられ、
一般の人が参加して一緒に作れるワークショップも開いておられます。
私もいつかワークショップに参加したいなと思います。)

記事の最後に
プロ奏者であるガイネさんの演奏と、
マーク・アキクサさんの演奏をご紹介します。

こちらが、ガイネ・サトウさんの公式Youtubeの演奏動画です。

ガイネ・サトウさんの演奏

こちらは、マーク・アキクサさんの吹くアメイジング・グレイスです。

マーク・アキクサさんの演奏(アメイジンググレイス)

どうですか?
インディアンフルート独特の不思議な感覚があると感じませんか?

これからも、オカリナとともに
インディアンフルートにもハマっていきたいと思いますので

よろしくお願いします。